建設業界はいわゆる「2024年問題」への対応がスタートした4月1日から、もうすぐ一年が経とうとしています。
「2024年問題」とは「働き方改革関連法」に基づく時間外労働の上限規制により生ずる諸問題の総称です。

この時間外労働の上限規制の適用を受け、時間外労働を月45時間・年間360時間以内に収めなければならなくなりました。また、労使合意で36協定(特別条項を付き)を結んだとしても、年720時間が上限とされました。もしこの上限規制を守らない場合には「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課される、厳しい処分がくだされます。

技能者の高齢化が着々と進む中、一方で若者の流入不足に改善の兆しはみえず、また、長時間労働や高い離職率…。
これらの多くの構造的な問題を抱えている建設業界にとって、この規制適用は、今まで放置されてきた負の側面と、正面切って向き合うことのできる「変革の契機」であるとも言われております。
しかし、実際はどれだけの企業がこの規制に対応できているでしょうか。

5年間の猶予措置があったとはいえ、企業規模の大小は問わず、「問題なく対応できている」という企業はごく少数ではないでしょうか?「対策など講じる余裕などない。社員の生活を支えるために、仕事を取り、現場数をこなしていくことだけで一杯いっぱいだ」。そんな声も多数聞こえてきそうです。
「規制開始から1年後ほどに労基署の調査が行われるのではないか?」など、業界内では噂されているようです。
以上から、今一度、現状を再確認し、課題を抽出し、実現可能な対策を考えてみる必要がありそうです。ということで、改めて「2024年問題の対策」につき、主だったものを挙げてみました。

① 労働時間の適正化
法定労働時間を遵守し、過労を防ぐために残業時間の適正化を図る。必要な場合には、業務の優先順位を見直し、効率的に業務を行えるようにする。

② フレックスタイム制度やシフト勤務の導入
労働者が働く時間を柔軟に選択できる制度を導入し、ライフスタイルに合わせた働き方を提供する。

③ 生産性向上の為の技術導入
先端技術やデジタルツール等を活用して作業の効率化を上げる。

★例えば躯体工事(スリーブ・インサート工事)の墨出し作業において、通常なら一日で3~4名必要とする作業量を「自動墨出し器」を利用することで、わずか1名に抑えることが可能なケースもあります。
また、天井に照射できるタイプもあり、機器の吊り位置など内装工事にも利用可能です。従来のように図面を見ながらスラブ上を移動する必要もなくなるので、躓き転倒リスク低減も図れます。
そして、天井インサートの墨出しにおいては、長手のステッキ状のツールを用いることで、作業台を使用することなく墨出しが可能となります。となると、作業台からの墜落転落リスクをゼロにすることに繋がります。
このように、先端技術を導入することで、省人化を図り、また、高齢者の起用の余地も高まるといったメリットが享受できます。最近では、現場監督の方々がスパイダープラスなどの現場管理アプリを活用している姿をよく目にします。「建設DX」の流れはますます強まっていくことでしょう。「先端技術」にご興味がありましたら当社にお問い合わせください!

④ 技能研修と教育プログラムの充実
若手社員が必要なスキルを身につける為に、定期的な研修やOJTを行い、新しい技能や知識を習得できる環境を整備する。

★建設業において、施行品質確保はもちろんですが、それにも勝り「安全」が重視されることは言うに及びません。したがい、現場で活躍する作業者の「安全面における知識武装」は企業存続の為の最優先事項とも言えます。
当社でも「職長・安全衛生責任者教育」をはじめ、「フルハーネス型墜落制止用器具使用作業特別教育」、「高所作業車」(10m未満)、「酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育」、「自由研削用砥石取替等業務従事者特別教育」、「丸のこ等取扱業務従事者特別教育」など、各種資格の講習会も実施しております。ご興味がありましたら、当社にお問い合わせください!(特別教育の講師派遣も行っております)

⑤ 魅力的な職場環境の提供
「働きたい職場」として認知される為に、労働条件や福利厚生を見直し、社員の満足度を高める取り組みを行う。

⑥ 業務委託や外注の活用
内部ソースだけでは業務が回らない場合は、外部業者に作業を委託し、必要に応じて業務の柔軟性を確保する。特に繁忙期の対応には効果が高い。
★当社は常時400名以上の作業員を抱えています。業務の守備範囲としては、「空調衛生設備」、「電気設備」を主軸としつつ、あらゆる建設現場の「困った」にお応えできる「多能工集団」として様々な現場でご利用いただいております。
新築工事・改修工事のいかんにかかわらず、また、「1日だけ、1名が必要」から「長期間、数十名が必要」まで、人員も期間も柔軟な対応が可能です。いうならば、「建設業における人材バンク」ともいえます。突然のご相談でも歓迎です。迅速性・機動力には自信がありますので、お気軽にご連絡ください!

⑦ 情報収集と相談
業界団体や商工会議所などの会合に参加することで、最新の労働法規や業界の動向に関する情報を収集し、必要なサポートを得られるように活動する。セミナーや勉強会に参加することも推奨される。

以上のように、2024年問題に対応する為には、何か一つを行えばよいというわけではなく、労働時間や業務効率の見直し、または人材育成や安全な労働環境の確保など、複合的なアプローチが必要となります。
これらの方策を継続的に実施することで、労働環境の改善や持続可能な企業運営が可能となります。
40年以上、現場とともに歩んできた当社だからこそ、「2024年問題」を乗り越える為の同伴者としてお役に立てるものと考えております。微力ながら建設業の未来を明るくしていける一助として、これからも走っていきます。

 

 

 

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