今回は、躯体符号に記載している『構造体天端レベル』について説明します。

躯体図の【凡例】の説明文には『上階基準高さ』からの構造体天端レベルと記載されています。これは、躯体図の情報範囲が、躯体の施工サイクルに合わせて描かれているからです。
躯体工事の工程はコンクリート打設までを一区切りとすることが一般的となっています。
例として、『1階立上がり2階躯体工事』で説明をすると、1階スラブ(床)のコンクリート打設が完了した段階からスタートとなります。1階の壁と柱、2階の梁、スラブ(床)の流れで施工してコンクリート打設で完了。ここまでを『1サイクル』として区切るので、躯体図には『1階壁・柱、2階梁・スラブ』の寸法・情報が記載されています。このように躯体図は、下階に立って『見上げた』範囲の情報が描かれている図面なので、【見上げ図】と表記されることもあります。

以上の経緯により、【1階立上り2階躯体図】に記載されているのは2階の【梁とスラブ】なので、高さの基準は上階の基準高さ(SLまたはFL※)となります。
※【SL・FL】に関しては、過去ブログ『建物建設の基準となる線② ~階高~(2022年8月19日投稿)』参照

『構造体天端』は、その構造体の上面のことをいいます。
構造体天端レベルは、上階基準高さ(SLまたはFL)を『0(ゼロ)』基準として、プラス・マイナス表記で記載されています。下の図は、梁符号と梁構造体を例とした構造体天端レベルの参考図です。(下図はSL表記を使用。)

スリーブ工事での注意点として、梁スリーブの取付け高さを測る際に、梁底型枠面やスラブ型枠面を
起点とする場合は、『梁成』だけではなく上階基準高さ(SLまたはFL)からの構造体天端レベルを確認
する必要があります。
上記参考図で説明すると以下の通りとなります。

梁成はすべて900㎜なので
【+100】の場合:梁底型枠面は『SL-800』(上図左)
【±0】の場合:梁底型枠面は『SL-900』(上図中央)
【-100】の場合:梁底型枠面は『SL-1000』(上図右)

躯体工事で、地上階の施工時では「高さ」の基準が明確に示されていない場合が多くあります。
しかし、躯体図を読み取ることにより、型枠面から正確な基準高さ(SL等)を確認することができます。
当社では、現場OJT等にて施工に関する指導・教育を実施しています。

 

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