過去ブログ『躯体図の読み方① ~躯体図符号~』にて、【躯体図符号】について紹介しました。今回は、【躯体図符号】を使用した『梁スリーブの高さ計算』について説明します。
スリーブ工事にて梁スリーブの墨出しは、一般的には【スラブ型枠面】と【梁型枠側面】に取付け位置および芯(高さ)の墨出し(マーキング)をおこないます。
梁型枠側面への墨出しは「取付け芯」と「スリーブ取付け天端」をマーキングし、スライドスリーブを使用する場合には、スライドスリーブを引っ掛ける為の「釘(天釘)」を打ち込みます。
「取付け天端」の高さ位置は、躯体図に記載されている躯体図符号の【梁符号】と【スラブ符号】を読み取って計算することで、スラブ型枠面及び梁型枠底面から位置を算出することができます。
現場により、上階基準線設定が『SL』の場合と『FL』の場合がありますが、今回の例では『SL』を使用します。
下記の躯体符号の梁に【スリーブ径:150Φ、取付け芯(高さ):SL-450】を取付ける場合で説明します。
上記の【梁符号】、【スラブ符号】を読み取ると、以下の数値となります。
梁、スラブともに上階基準線(SL)からの構造体天端レベルは【±0】なので、梁底の型枠面はSL±0から、梁成900㎜下がった『SL-900』となり、スラブ型枠面はSL±0から版厚200㎜下がった『SL-200』の位置となります。
梁スリーブの取付け芯はSL-450なので、梁底型枠面を起点とした場合【450㎜】上がった位置となり、スラブ型枠面を起点とした場合は【250㎜】下った位置となります。
また、梁スリーブ取付け天端(天釘取付け位置)は、梁スリーブ径150Φの半径75㎜上がった位置となり、梁底型枠面を起点とした場合【525㎜】となり、スラブ型枠面を起点とした場合は【175㎜】下がった位置
となります。(下図参照)
このように、施工図に記載された【躯体符号】を読み取ることで、”2次元”の図面から、”3次元”の情報を得ることができます。
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