先日、現場パトロールを実施した現場に、このようなものがありました。
これは、建築資材のサンプルとして掲示されていたもので、様々な形状のものがたくさんありますが、すべて同じ用途にて使用されます。
この資材は、『スペーサー(Spacer)』と呼ばれ、日本語に訳すと間座(あいざ・かんざ)といいます。スペーサーは、物と物の間に一定の空間・間隔を確保するための資材で、躯体工事の段階で、コンクリートの表面と鉄筋との間に空間を作るために使用します。
これにより作られた空間・間隔のことを『かぶり厚さ』といいます。『かぶり厚さ』を確保する理由は、鉄筋をしっかりとアルカリ性であるコンクリートの中に埋めることで、空気や水による酸化(錆)を防ぎ、建物の強度・耐久性を維持します。かぶり厚さが薄い場合、常にコンクリートの表面は空気や水に触れているので中性化してしまい、中の鉄筋は錆びやすくなってしまいます。
鉄は空気や水に触れ酸化すると膨張する性質を持っています。そのためコンクリートに亀裂や割れが生じてしまいます。この現象を『爆裂現象』又は『鉄筋爆裂』といいます。スリーブを設置する際にもスリーブの表面からのかぶり厚を確保しなければなりません。現場にて施工するにあたり、品質に関して様々なルールや決まりごとがあります。現場パトロールは安全に関することはもちろん、品質に関しての指導もおこなっています。