切創事故・切創災害は建設業において最も発生頻度の高い事故・災害の一つです。
切創事故というと、真っ先に想像できるのがカッターなどの刃物で手や指を切ってしまうものかも知れませんが、鋭利なものはもちろん、そうでないものも凶器になりえます。
紙で指先を切ってしまった。なんて経験をしたことがある方も少なくないと思いますが、紙ごときで皮膚はいとも簡単に切れてしまうのです。いや、紙で切った程度なら切創事故とは言わないかも知れませんが、刃物以外での切創事故は非常に多いのです。どんなものでも触れれば切れるのですが、中でも多いのが鉄板の切断面です。鉄板の切断面は大抵ギザギザになっているので、カッターのようにスパッと切れるのではなく、文字通りザックリと切れてしまうので注意が必要です。
長袖、長ズボンの作業着で全身をしっかりと覆えば、それだけでかなりの切創事故を減らせます。また、手や指の切創を防止するには耐切創手袋は非常に有効です。実際、当社でも全ての作業員さんに無料で配布しています。足首の保護のために脚絆(きゃはん)を巻くのもいいでしょう。手首周辺の保護には手甲を着用するという方法もあります。
結局のところ、切創事故防止のためには作業着を適切に着用し、その上で保護具を着用するという方法が一番なのです。さらに工具を適切に使用し、作業環境を整備し、作業前の安全確認(いわゆる現地KY)を行えば切創事故は確実に防げるのです。