業界初心者からこの仕事に関わるようになってはや十数年、未だに慌てたり戸惑ったり遠回りしたり…右往左往しながら何とか界隈の端っこに引っ掛かってはおりますが、今でも時々「聞いたことのない言葉」を耳にすると、「言葉」が大好きな当方としては、それが名詞だろうが動詞だろうが、何なら形容詞でも少々心躍るものがあります。
最初に「んっ?」となったのは会話の中に出てきた「スクレイパー」という言葉でした。ヘラ状の何かをこそげ落としたり剥がしたりする道具、と今では理解できますが、初めて聞いたときには当時知っている言葉「スカイスクレイパー」=高層ビル・摩天楼を想像して、全く会話の中身と言葉が一致せずにヘドモドしたのを覚えています。それ以外にも今ではよく使う単語で「ピット作業」。この言葉を聞いたときには有名F1ドライバーが急ブレーキを掛け停車スペースに車をセットした瞬間、何人ものクルーたちがワッとマシーンに群らがり目にも止まらぬ速さでタイヤを取り替えてロケットの如く再発進するモンスターマシーンの映像が思い浮かんでおりました。穴とか窪みを表す方のピットだったんですねぇ。
逆に想像のつく言葉もありました。例えば「ピンコロ」。この言葉を最初に聞いた時に想像したのは「ピンゾロ」。つまりサイコロの1の目が揃うこと。なんとなくサイコロを思い浮かべて、実際のピンコロ石を目にしたときには「お~ぉ、イメージ通りだぁ」とちょっとばかり嬉しかった記憶があります。
各業種にはその業界独自の表現や言葉が存在します。建設業界のそれも、興味深いモノや面白い略語がたくさんあります。本物の『墨壺』を手に取った時には、「これかぁ~!」と某有名下町警察官マンガの登場人物を思い出しました。