切創災害、多いです。この時期、いろいろなお客様の安全大会や災害防止協議会などにお邪魔させていただく機会が多いのですが、その場で展開される災害事例には必ずといっていいほど切創災害が入っています。
切創災害というと、すぐに思い浮かべるのがカッターなどで手や指を切ってしまうといったものだと思いますが、決してそれだけではありません。というよりもむしろ、現場ではカッター禁止なんてことも多くなっていますので、カッター以外での切創が多いのが現実です。
日常生活において、稀に「あれ?血が出ているけど、いつケガしたんだろう?」なんてことはありませんか?そう、世の中には刃物以外でも十分に切創の原因となるものが存在します。ガラス片や金属の切断面、その辺であれば容易に想像が出来ますが、紙で指先を切ってしまった。なんてこともあります。ちなみに紙で指先を切ったときのあの痛痒いような感覚が私は苦手です。
少し話が横道に逸れてしまいましたが、切創災害を防止するのに最も有効な手段のひとつに耐切創手袋があります。耐切創手袋とは、耐切創繊維で作られた手袋のことで、切れにくさを決められた試験方法で評価したものが「耐切創レベル」になります。
耐切創レベルは5段階で評価されレベル5が最高となるものと、A~Fの6段階で評価されFが最高となるものがあるようです。ちなみにレベル5の基準は「繊維の上に回転刃を20回往復させないと切断できない強度」だそうです。レベルFは省略します。
そんなこんなで、カッター作業以外でも切創のリスクは付き物なわけで、ここ最近では「入場時には耐切創手袋が必須」という建設現場も増えてきているようです。「ヘルメット・墜落制止用器具(安全帯)・安全靴・耐切創手袋」が現場入場の4点セットとなる日もくるかも知れません。
耐切創手袋はゴワゴワして着け心地が悪いし、滑りやすいから危ないし・・・という人も多いようですが、最近はグリップ力が強い製品もありますし、普段使用しているゴム手袋の下に着用できるインナータイプもあるようです。ぜひ検討してみてください。