もう数ケ月前のことになりますが、とあるスポーツの国際試合を観に、とある競技場に足を運びました。最寄り駅を降りてすぐ、競技場の雄大な外観を見た瞬間に「ああ、ここの建設に携わったんだよなぁ」と感慨深い気持ちになりました。建設中に何度もパトロールなどで足を運びましたが、完成した競技場を見るのは初めてのことでした。
建設中は「オリンピックのときは、ここが満席になって・・・」などと完成後の姿に思いを馳せたものですが、ご存知のとおりオリンピックは無観客での開催となりました。そのときは本当に残念な気持ちになったものですが、今回こうしてほぼ満席になった競技場を見て、まるで我が子の成長を見るような思いでした。
また、これはもう10年くらい前の話になりますが、地元のショッピングモールの建設に携わったときも完成した店舗にまだ小学校低学年だった子供たちを連れていき、
「ここのトイレ、パパもお手伝いで運んだんだぜ」
「うわ、汚い!!臭い!!」
「いや、新品未使用のトイレだから」
などと会話したことを今でも思い出します。
「汚い」などと言いつつも、目をランランと輝かせていた子供たちの表情は今でも忘れられません。
当社の作業員さんに「仕事をしていて充実感を感じるのはどんなときか」というアンケートをする際にも必ず挙がってくるのが「建物が完成したとき」という回答です。私が体験した上記の2例のような国や地方を代表するようなランドマーク的な建築物に限らず、どんな建物であっても完成した建物の近くを通るたびに、どこか誇らしい気持ちになれる。建設業界とはそんな業界なのです。